Automated Market Maker(AMM)の公理系 Part 1
目次
- はじめに
- Constant Function Market Maker
(1) CFMMとは
(2) CFMMモデルの前提
(3) 代表的なAMMの効用関数 - Axioms
(1) 前提
(2) 公理系 - AMMと公理
(1) AMMが満たす公理
(2) 具体的なAMMの比較 - おわりに
1. はじめに
本レポートはAMMの分類について、式の型ではない数学的な性質に着目した方法を紹介する。AMMは流動性を定義する数式の型別に分類されることが多々ある(例えば、Constant Product Market Maker型のAMM(以下、CPMM型)やConstant Sum Product Market Maker型のAMM(以下、CSMM型)が、別の分類方法を与えることが出来ることを[1]が示している。本レポートの目的は、[1]が掲げるAMMが満たす代表的な公理を解説し、AMM実務者のAMMに関する数学的性質の理解を深めること、とする。
本レポートが解説を行う[1]は、最初にConstant Function Market Maker型のAMM(以下、CFMM)の公理系を天下り的に与えており、本レポートの中心内容となる。次に[1]はCFMMが満たすべき定理などを導出するが、本レポートでは一部のみ取り上げる。[1]に取り上げられているTheorem、Proposition、Lemmaは数学的な操作で導かれるものが多く、DeFi実務者には自明と思われてしまうものが多い。[1]はその後、Uniswap v2、Uniswap v3、Curve、mStable、StableSwap、の6種類AMMの特徴を冒頭に与えた公理に当てはめて分類を行っており、本レポートの目的とも合致する内容なので、具体例等を解説する。最後に、[1]は最後に、新たなAMMのデザインを提案しているが、本レポートでは紹介をしない。
本レポートは[1]の論文の考え方・導入といった側面が強いため、難しい数学的な操作が伴う[1]の定理等(スワップとリザーブ額の関係など)は別のドキュメントに譲るとする。
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