Uniswap v3:Txデータのトップダウン分析:上位5%のユーザが全取引の9割を占める
目次
- はじめに
- 関連研究
- アプローチ
(1) データ取得
(2) 分析手法 - 結果考察
(1) 仮説1および仮説3の検証
(2) 仮説2の検証
(3) 仮説4の検証
(4) 仮説5の検証
(5) クラスタリング
(6) 総合考察 - おわりに(含 制約条件)
1. はじめに
我々のグループでは、流動性プロバイダー(LP)の収益最大化を目指し、対象プールがLP先として適切か調査している。LP先として適しているプールの条件として、出来高が多く、LPの供給量が少ないことが挙げられる。この条件のプールを選別するためには、対象プールの取引回数、取引量、ボラティリティ、TVLおよび関与する各アドレスについて調査を行う必要である。これらの推定の内、取引回数、取引量、ボラティリティ、TVLについては既存サービスを活用することで情報を得ることができる。しかし、各アドレスを調査する手法は確立されていない。本稿では各アドレスについて調査する。特に対象プールで取引を行っている各アドレスがBotかどうか判別することを目的としてトランザクションデータの分析を行う。
市場参加者として、一般投資家、機関投資家などの大口投資家、そしてBotが存在する。それぞれの市場参加者は、プールの取引環境に異なる影響を与える可能性がある。特にBotは、市場の効率性や安定性に影響を与えるため、その存在を把握することはプール選択や取引環境の評価に重要である。
DeFi市場におけるBotの影響については、これまでにもいくつかの研究が行われている。Daianら(2019)は、DeFi市場におけるBotの活動が市場の効率性にどのように影響するかを調査している[1]。研究によると、Botは市場の効率性を高める一方で、市場の不安定性も増加させる可能性がある。
また、Botによる取引が特定のプールに集中すると、そのプールにおけるLPの供給・需要バランスが崩れることがいくつかの研究で指摘されている[2][3][4]。これにより、LPはより適切なプール選択を行う必要があり、本研究のアプローチがその判断基準として役立つことが期待される。
本研究は、対象プールで取引を行っている各アドレスがBotかどうかの見極めを行うことを目的としている。今後の展望として、Botの活動パターンや影響度をさらに詳細に分析することが挙げられる。このような分析により、より具体的なプール選択の指針を提供することが可能となり、LPの収益最大化に貢献することが期待される。
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