Babylonコミュニティアップデート|2025年7月3日号
Babylonはこのたび、完全にトラストレスなBTCFiエコノミーの実現に向けた2025年ロードマップを発表した。
現在、EVM(Ethereum Virtual Machine)対応の実装が間近に迫っており、BTCを複数の分散型ネットワークにステーキングし報酬を得られるマルチステーキングはテストネットに移行しつつある。また、ツール、ステーキングオプション、そして開発者によるエコシステムも着実に拡大しており、「Babylon Genesis」は急速な進展を遂げている。
BTCステーカー、Babylon Genesis上のビルダーや、最新動向をキャッチアップしたい人向けの記事となっている。以下に、直近2週間の出来事を整理して紹介する。
BTCFiエコシステム状況

2025年7月14日時点のbitcoinのステーキングAPRは0.41%、またBabylonを通してステークされたbitcoinのドル建て価値は約52.2億ドルであった。またBABYトークンのステーキングAPRは20.36%で、Babylonを通してステークされたBABYトークンのドル建て価値は約1.04億ドルであった。
BTCFiエコシステム実現に向けたロードマップ(2025年)

Babylon Genesisは、Rust言語に基づいたBitcoinとの親和性が高いモジュール型フレームワークであるCosmWasmに加えて、Solidityを用いた開発環境として広く普及し既存のDeFiエコシステムと互換性が高いEVM(Ethereum Virtual Machine)をサポートし、BTCFi向けに特化したデュアルVM設計を実現する。
CosmWasmはすでにメインネット上で稼働しており、Rustで記述されたビットコイン向けスマートコントラクトを安全かつ高パフォーマンスで実行可能にしている。
一方、EVMはBTCFiプロトコルにおける大規模なエコシステムと、開発者にとって使いやすい環境、さらにMetamaskのようなウォレットプロバイダーを通じたシームレスなアクセスをもたらす。
特に注目すべき点は、両VMが共通のトークン台帳(各アカウントのトークン保有量を記録するデータベース)を共有していることである。これにより、開発者は完全に相互運用可能なdApps(分散型アプリケーション)を構築できる。たとえば、CosmWasmで発行された合成BTC資産は、そのままEVMベースのBTCFiプロトコル内で利用することが可能である。
さらに、今回のリリースでは0xアドレスのサポートも導入される。つまり、
-
BTCFiが初めてのユーザーにとっては:
EVMウォレットアドレスを新たに作成し、そのままアプリを利用開始することが可能である。
-
すでにBABYをステーキングまたは保有しているユーザーにとっては:
資産を0xアドレスへ移行するか、もしくは現在使用中のbbn1アドレスを引き続き使用することができる(変更の必要なし)。
なお、Devnetはすでに稼働中であり、パブリックテストネットは近日中に公開予定である。Interchain Foundationによる監査は7月末までに完了する見込みであり、メインネット統合は2025年Q4初期が目標とされている。
Xangleによる新しいBabylon Explorer開発

Babylon Explorerは、Xangleの協力により大幅なアップグレードを遂げた。オンチェーン上のアクティビティを効率よく把握できるようになり、開発者やユーザーがより深く情報を分析できる機能が導入されたことで、Babylon Genesisの操作がこれまで以上に容易になっている。
今回のアップデートには以下が含まれる:
-
Faucet Access:
ユーザーがテストネットトークンであるtBABYを無料で受け取れる仕組みである。
請求手順は以下の通りである。- テストネット追うのBABYウォレットアカウントを作成し、ウォレットアドレスを取得
- Xangle tBABY Faucetにアクセスする
- ウォレットアドレスを入力し「Request tBABY」をクリック

-
Token Overview:
画面左側タブ内の「Tokens」より、ネイティブトークン・IBCトークン・CW-20トークンを一覧で表示する。

-
Relayer Mapping:
画面左側タブ内の「Relayers」より、Babylon Genesisが他のブロックチェーン(たとえばCosmos HubやOsmosisなど)とつながるために利用される「IBC(Inter-Blockchain Communication)チャネル」と、それらを実際に動かしている「Relayer」の構成状況を一覧で確認できる。

-
Contract Activity:
スマートコントラクトのメタデータおよび実行内容を表示する。
表示方法は以下の通りである。- Babylon ExploreのContractsにアクセス
- 一覧から任意のコントラクトアドレスを選択

-
Account Pages:
各アドレスの詳細情報(ポートフォリオおよび送金履歴)を表示する。
表示方法は以下の通りである。-
確認したいアドレスを選択
-
アドレス下のタブを切り替えることでポートフォリオや送金履歴を表示できる

-
Data Exporting:
トランザクション履歴やステーキング情報のダウンロード機能。CSVファイルとしてダウンロード可能である。
ダウンロード方法は以下の通り- 上記のAccount Pagesにアクセス
- 画面右上にある「Download CSV」をクリック
-
BTC Staking Data:
画面左側タブ内の「Staking Transactions」より、引き出し状況およびアンボンド統計のモニタリングできる。

-
Block Insights:
各ブロックで使用されたガス量と、そのブロックの最大ガス容量との比較が可能。
表示方法は以下の通りである。- Babylon ExploreのBlocksにアクセス
- 表示されたブロック一覧から、任意のブロックを選択
- 選択したブロックの詳細ページにて、「Gas Used」や「Block Gas Utilization」といった項目を確認可能

これらのアップグレードにより、コントラクトの透明性が向上し、トークン追跡が簡素化され、Babylon Genesisのテストネットツールへのアクセスがさらに迅速となった。
新しいBabylon Exploreはこちら
Babylonのビットコインステーキング、米国で利用可能に
Babylon Genesisは、米国ユーザー向けにネイティブなビットコインステーキングの提供を開始した。これはBTCFi普及に向けた重要な一歩である。
今回初めて、米国内のビットコイン保有者が、ブリッジやラッピング、仲介者を介さないBabylonプロトコル上での直接的なビットコインステーキングをできるようになった。これは、ユーザーが資産の主導権を握りつつ、Proof-of-Stakeネットワークの安全性を高めながら報酬を得ることができる、完全トラストレスなステーキング方式である。
本機能の拡張は、安全なビットコイン活用に対する需要の高まりを反映しており、BSN(ブロックチェーン・サービス・ネットワーク)全体のエコシステム成長を後押しする基盤となるものである。

AMA、Xスペースでの取り組み
Babylon Labsはこのたび、Nexus Mutual、Native、Immunefiと共にX(旧Twitter)上でスペースを開催し、進化を続けるBTCFiの動向や、ネイティブなビットコインステーキングの普及に伴ってどのようにリスクが対処されているかを探った。
この対話では、BTCFiにおけるBabylon Bitcoinプロトコルの役割、新たな保険スキーム(Nexus Mutualとの連携)、および複数プロトコル間でのセキュリティへの取り組みについて、深く議論が交わされた。
全編はこちらから
インターン、再び立ち上がる
前回、Babylon LabsのXアカウントの管理をインターンに任せた際、我々が出した指示は至ってシンプルであった「完全にdegen化するな」。
しかしながら、その要請は時間とともに無効となった。
その後、以下の行動に出た:
- 米国地域制限を解除
- ニューヨークで“自由の象徴”をテーマにしたドラゴンを投稿
- そして「なぜ君はそういう人間なのか?」とのツッコミを受けることとなった
ミームはやや暴走気味であるが、全体の雰囲気は極めて良い感じである。そして、意外にも生産性は驚くほど高い。面白いインターンの動向は @babylonlabs_io にて確認できる。
今後の展望
ロードマップが公開された今、Babylonは次なる主要マイルストーンの達成に注力している。
EVMのパブリックテストネットはまもなく公開予定であり、これによりBTCFiに特化したdAppsや新たな開発者コミュニティへの道が開かれる。また、マルチステーキングもテストネット段階に近づいており、BTC保有者が単一のステークで複数のチェーンをセキュアに保つことを可能にする。
今後も、さらなるアップデート、ツール、統合が予定されており、Babylon GenesisはPhase-3に向けて着実に前進している。