Babylonコミュニティアップデート|2025年6月19日号

Ledefiリサーチ事業部
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本ブログはBabylonエコシステムにおける最新の動向を報告するものである。直近2週間の主要カンファレンスでの登壇実績に加え、プロトコル・パートナーシップ・ガバナンスに関する重要な進展を含む注目すべき出来事を総括した。

BTCFiエコシステム状況

出所:Next Finance Tech作成

2025年6月24日時点のbitcoinのステーキングAPRは0.41%、またBabylonを通してステークされたbitcoinのドル建て価値は約48.8億ドルであった。またBABYトークンのステーキングAPRは20.83%で、Babylonを通してステークされたBABYトークンのドル建て価値は約0.92億ドルであった。

KrakenがネイティブBTCステーキングに対応

米大手暗号資産取引所Krakenは、Babylon Genesisとの統合を通じて、BTCのステーキングサービスを正式に提供し始めた。本件は、BTCFi(Bitcoin Decentralized Finance)の発展において、極めて重要なマイルストーンの一つと位置づけられる。

これにより、Krakenのユーザーは、以下の特徴を持つBTCステーキングを利用可能となった:

  • ブリッジを介さない直接的なステーキング
  • ラップトークン(WBTC等)を必要としない構造
  • ノンカストディアルなステーキング

この仕組みにより、Babylonが提供するトラストレスなステーキングが、グローバル市場で高い取引量を誇るKrakenに実装されて、より多くのユーザーに対して安全かつ利用しやすい報酬獲得手段が提供された。

この出来事は、BTCFiの普及に向けたモメンタムを明らかに示すものであり、同時にBabylon GenesisがBTCのステーキングという新たなユースケースにおける基盤インフラとしての地位を強化するものである。

Bitcoinの次章:Babylonとともに

"BTCは遊休資産状態にあり、暗号資産やブロックチェーンは孤立して相互連携できていない。Babylonはその両方を解決する。"

今週、Babylon LabsはBTCFi(Bitcoin Decentralized Finance)に関する長期的ビジョンを示す記事を公開した。この記事では、BabylonプロトコルがBTCを他チェーンでのイノベーションへと接続していく仕組みが示されている。

本記事では、Babylonのアーキテクチャが以下の三つの主要レイヤーで構成しているが説明されている:

  • ステーキングレイヤー:
    トラストレスなBTCステーキングを実現し、複数のBSN(Bitcoin Supercharged Networks)を通じて報酬を獲得可能となる。今後はマルチステーキング機能が実装予定であり、BTC保有者は単一のポジションで複数ネットワークから報酬を得ることができるようになる。

  • 流動性レイヤー:
    BitVM技術に基づく将来の合成BTCプロダクトによって、DeFi領域における自由な資産移動を実現。ラップやカストディアンを必要としない設計が特徴である。

  • 実行レイヤー:
    Babylon GenesisはBTCFiの調整およびアプリケーション層として機能する。CosmWasmおよびEVMの両方への対応が年内に予定されており、開発者に対するアクセス性の向上と、異なる実行環境間の相互運用性が実現される見通しである。

本記事は、BTCおよびBTCFiが今後進む方向性を明確に示すものである。

全文はこちら

テクノロジーの進展:プロトコルアップデート

Babylon Genesis V2がメインネットで正式稼働を開始した。
本アップグレードは、ネットワークの分散化・耐障害性・スケーラビリティを大きく前進させた。
今回の「Builders Upgrade」は、コンポーザビリティ・柔軟性・セキュリティに重点を置いた複数の機能拡張を導入している。主な更新内容は以下の通りである:

  • TokenFactory:
    ガバナンス承認なしで、バンクモジュール経由によりネイティブトークンのパーミッションレスな生成と管理を可能とする。

  • IBCコールバック(IBC Callbacks):
    IBCパケットに実行可能なロジックを持たせることが可能となり、アトミックスワップなどの高度なクロスチェーン処理を実現。

  • パケット転送ミドルウェア(PFM):
    マルチホップIBC送信をサポートし、単一トランザクションで複数チェーン間にまたがる操作をシームレスに実行可能とする。

  • IBCレート制限(IBC Rate Limiting):
    BABYトークンの外部流出量を24時間あたり最大10%に制限することで、大規模な資金流出からプロトコルを保護。

  • インターチェーン・アカウント(ICA):
    他チェーンがBabylonアカウントをプログラム的に制御可能となり、ステーキング、デリゲーション、ガバナンスなどの操作を外部から実行できるようになる。

V2アップグレードの詳細な内容はこちら

Babylon Genesisの出演:AMA、X Space、各種イベント

Fisher Yu氏はSui Networkのセッションに参加し、BTCFiの価値およびBabylon GenesisがSuiエコシステム内で"いかにしてBTCのユーティリティを拡張しているか"について議論を行った。詳細はこちらで確認可能できる。

また、Babylon LabsはCoinDeskにも特集され、@Borissimo_ 氏が現在のビットコイン市場の動向および機関投資家における長期的なトレンドについて見解を示した。

さらに、Babylon Labsのエコシステム責任者であるClayton Menzel氏は、「Crypto Coin Show」に出演し、以下のトピックについて解説を行った:

エコシステムの加速:進歩とアップデート

Band Protocolは現在、Babylon Genesisのテストネット上で稼働しており、リアルタイムの価格フィードを提供している。

また、BTCFiのBuilder Threadにおいて、Babylon Genesis V2をBTCFiのモジュール型・スケーラブルな基盤として強化するための最新の開発アップグレードが報告された。主な内容は以下の通りである:

  • TokenFactory:カスタムコントラクトを展開せずに、ネイティブトークンを作成可能にする機能
  • IBCコールバック/パケット転送ミドルウェア:クロスチェーンメッセージングやモジュラー型チェーン連携の改善
  • レートリミッティング機能:インターチェーン通信の安全性を高める制限設定
  • インターチェーンアカウント:IBC対応チェーンとの効率的な相互運用性を実現

これらのアップデートは、開発者体験の向上に寄与するとともに、Babylon Genesisを「ビットコイン担保型DeFiが拡張可能な実行レイヤー」として位置づけることを目的としている。

さらに、Babylon Genesis V2はInformal SystemsおよびOak Securityによる監査を受け、Phase-3への移行に向けてプロトコルの安定性が確認された。

Babylonインターン生が公式Xアカウントで発信開始

プロトコルが分散化されている事をテストする最善の方法は、Xアカウントの運用権限をインターンに渡すことである。

今週、Babylon Labsのインターンが初めて公式X(旧Twitter)アカウントに投稿した。与えられた唯一の指示は、“Full degenにはなるな”というものだった。すると数分後に、文章なしのGIF画像が投稿された。
この投稿にコミュニティは即座に気付き、運営陣もそのタイミングで気づいた。

この出来事は、Babylon Labsにおいては、インターン生であっても“ビットコインにはもっと良いものであるべきと信じている”ということを示している。

出所: Babylon blog

今後の展望

Genesis v2の完了とセキュリティ監査を終了し、チームは次なる主要マイルストーンの達成に注力している。

マルチ・ステーキングの実装が目前に迫っており、これにより、BTC保有者は単一のステークで複数のネットワークからステーキング報酬を得られるようになる見通しである。

また、EVM対応に関する開発も進行中であり、これによりEthereum系ツールとの完全な互換性が実現され、Babylon Genesis上で構築可能な開発者の選択肢が拡張されることとなる。

今後、BabylonはPhase-3への移行に向け、さらなるアップデートを順次展開していく予定である。