LVR:インパーマネントロスに代わる新しい指標
目次
- はじめに
- LVR
2.(1) 前提
2.(2) LVRモデルと導出
2.(3) LVRの解釈
2.(4) ベンチマーク戦略としてのLVRとIL - Uniswap v3におけるLVR
3.(1) UniswapのLVRの理論値
3.(2) Uniswap v3のプールのLVR - おわりに
参考文献
エグゼクティブサマリ
- LPerのマーケットリスクを反映したという指標の理論と導入。
- やは"Loss-versus-Benchmark"の一種として一般化可能であり、本質的には似ている指標である。
- はよりオプション理論等の考え方を素直にした指標。の理論導入時に紹介するリバランス戦略はオプション理論におけるデルタヘッジと似ている。
1. はじめに
本レポートでは、Impermanent Loss(以下、”IL”)と代わる指標として徐々に注目されているLoss-versus-Rebalance(以下、”LVR”)[1]について解説と実証を行う。”LVR”はMilionisらによりUniswapプロトコルに提案されている指標である。LVRもILと同様にアービトラージャーによってLPerが被る損失を表現しており、本質的にはILを一般化している。3章にて解説するが、LVRがILより優れる点は、LPerが追うマーケットリスクによる損失を表現する指標であり、リスク中立世界が仮定されるファイナンスの理論にILより適している。また、DeFiに存在するコイン特有のCEX-DEXアービトラージを動的にとらえるため、ILと比較してオプション理論のアナロジーなどが応用しやすい、と考える。Milionis[1,2,3,4]においてCEXにおけるリスクアセットの価格pが正しく、DEXの価格p ̃はアービトラージャーによってCEXの価格に収斂することを前提としている。本レポートでは、LVRの理論の導入と実証計算を行い、ILとの比較を行う。
Keywords:Uniswap, DEX, CEX, Binance, LVR, IL, Martingale, Option Theory, Risk Neutral Process
(Uniswap、DEX、CEX、Binance、LVR、IL、マルチンゲール、オプション理論、リスク中立過程)
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