ETHマーケットレポート(2023/10/9~2023/10/15):軟調な相場が続く。日時平均のガス代が1,000枚を割り込み、ネットワークの過疎化が加速。ステーキングではバリデータ待ち時間が0に
目次
- 取引実績の共有
1.(1) 市場情報
1.(2) 未決済建玉(OI)の分析 - オンチェーン分析
2.(1) gas fee - 累価格移
2.(2) gas fee - カテゴリ別内訳
2.(3) ETH Staking - バリデータによる分析
2.(4) Staking - Staked ETHの分析
2.(5) ETH Staking - Liquid Poolによる分析
3.先週の顕著なニュース - 総括
1. 取引実績の共有
(1) 市場情報
ETHの1週間の価格レンジは1,521ドル~1,636ドル、始値は1,633ドル、終値は1,557ドル、週足で見た変動幅は4.65%安であった。また、週の高値は10月2日週の1,744ドルを108ドル下回った。(参照:Binance-Spot )。
今週のETH相場は、10月9日0時~16時にかけて大きな陰線を伴い1,546ドルまで急落して始まった。その後も、価格を持ち直せず、10月12日16時に週次安値の1,521ドルを記録し、1,500ドルを割り込むのではないかと市場に緊張が走った。こういったETH価格の下落は、Ethereumネットワークの利用状況に起因するものではなく、マクロ環境に起因した価格変動ではないかと推察される。マクロ環境における材料としては、中東地域の武力衝突において、欧米諸国が同盟を結ぶイスラエル勢力と交戦中のパレスチナ系組織ハマスが暗号資産を通して資金を調達しているとする報道[1]や、米国が政策金利を決定する際の指標の一つであるPPI が前年比2.2%の上昇を記録し、大方の市場予想である1.6%の上昇より大きく乖離したこと[2]などが挙げられる。10月12日16時以降は、徐々に値を戻し、1,557ドルで週足を閉じた。このまま値を戻すことができれば、10月2日10時より継続する下降トレンドが一旦落着きを見せた形となるため、次週の値動きでは1,650ドル以上へ上昇できるかが注目ポイントである。
週次出来高は149万枚で、前週の151万枚と同程度である。また、2023年からの全41週の平均週次出来高である約263万枚と比べても43.35%小さい。前週に引き続き相場は軟調であった。特に、10月12日以降、ETH価格が上昇している状況下でも出来高が小さく、市場の流動性は未だ少ないと推察できる。
(2) 未決済建玉(OI)の分析
ETHデリバティブ市場のOpen Interestは週次で約40億ドル〜約42億ドルの間で推移した。10月9日は週次最低額の約40億6,600万ドルであったが、週の中頃に向けて徐々に約1億7,800万ドル増加し、10月12日には週次最高額の約42億4,400万ドルとなった。以後、Open Interestは緩やかな減少傾向となり、10月15日時点では約41億7,000万ドルであった。10月12日はETH価格の週安値と重なることから、それまでにロングポジションで取引を開始した市場参加者が同日16時以降のETH価格の値上がりによって未決済ポジションをクローズしたことが週後半のOpen Interest減少に起因していると推察できる。
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