crvUSD:CDPプロトコルの抱える清算リスクに対応したステーブルコイン
目次
- はじめに
- crvUSDの全体像
2.(1) 特徴的な清算プロセスとLLAMMA
2.(2) PegKeeperとMonetary Policyによる価格安定メカニズム - crvUSDの発行
3.(1) 取引画面
3.(2) バンド数Nの選択について - おわりに
参考文献
1. はじめに
crvUSDは2023年5月にCurve Financeがローンチした米ドルに連動するステーブルコインである。ユーザーはWBTCやETHといった暗号通貨を担保として差し出すことで、担保の価値に応じたcrvUSDを発行する(借りる)ことができる。ローンチ直後はsfrxETHのみが担保として利用可能であったが徐々に対応コインが増え、2023年9月10日現在sfrxETH, wstETH, WBTC, ETH, tBTCの5種類のコインが担保として利用可能である。担保として利用できるコインはCurve DAOの承認を経て追加されるので、プロダクトの成熟とともに利用可能なコインの種類の増加が期待される。crvUSDの流通量は着実に伸びてきており、2023年9月10日現在約1億ドル相当のcrvUSDが流通している。
本レポートではcrvUSDについてプロダクトの解説と利用方法について解説を行う。2,3章でプロダクトの解説を行い4章ではcrvUSDの発行の際に必要な情報について実際の取引画面を用いて整理した。なお、本レポートはcrvUSDのコンセプトの理解とcrvUSD発行に必要な情報の説明に重きを置いており、アルゴリズムやモデルの詳しい解説は省略している。
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